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2026-04-26 13:16:00

国語と社会(歴史)のシナジー効果

おはようございます。国語くらふと芦屋の大鹿です。私は中学受験対策の国語をメインで教えていますので、生徒はほとんどが小学生ですが、しばしば中学に進学した生徒を継続して教えることがあります。ですので、中高一貫校に通っていて高校を受験しない生徒に向けてあえて高校入試問題を解説する機会があります。今回はそんな問題のひとつである2023年度ラ・サール高校の国語の入試問題を紹介します。

西暦800年頃、空海という高僧がいました。空海は804年に遣唐使として唐に渡りおよそ2年間で密教の真髄をマスターして帰朝し真言密教の開祖となった人物です。彼は816年に高野山真言宗の総本山である高野山金剛峯寺を和歌山に開いたことで有名ですが、一時期、讃岐(現在の香川県)にて氾濫した灌漑用の溜池である満濃池を加持祈祷しつつ修繕することに尽力した時期があります。その後、時は流れて886年、後に右大臣に昇進するも宇多天皇との蜜月を勘繰った藤原時平の讒言により太宰府天満宮に左遷される運命にある41歳の菅原道真公が、讃岐の国司(今で言う都道府県知事のようなもの)としてこの地に赴任します。そこで、現地のクセの強い役人とのコミュニケーションに四苦八苦しながら、およそ80年前に空海の修繕した溜池を前に、自分の国司としての役割と責任を理解するという場面が出てきます。

このような文章を何文というのかよくわかりませんので、ひとまず大河ドラマ文とでも言いましょうか。中学入試や中学受験予備校の難関校対策講座でもしばしば目にするこのような格式の高い文章を前にするとフリーズする子供たちが多くいます。そのような時に歴史の勉強で学んだ事実が思い出せたら、その文章の理解が深まるのではないでしょうか。また、社会の問題としてこのような問題が出題された時に、国語の文章を思い出すことで正解できる問題が数問はあるのではないでしょうか。このように、国語と社会(この問題の場合は歴史と地理)は相互に深く関連していて、結局同じような能力を問うていると私は考えています。あくまでも個人的な感覚ですが、生徒達を見ていると、受験勉強が進んで入試が近い段階に入っていくにしたがって、社会を履修している生徒は国語の偏差値と社会の偏差値が似通ってくることが多いです。このように、国語と社会には緩やかな相関関係やシナジー効果があると考えていますので、授業の中でもこの点は強く意識するようにしています。これからも、歴史・地理・公民の範囲に含まれる周辺領域をリベラルアーツ(一般教養)と捉え生徒達の学力の全体的な底上げを図っていきたいと思います。